
トラックが過疎地域を救う!貨客混載って何?
2015年2月6日、一部過疎地域における「貨客混載」を解禁する方針が国土交通省の有識者委員会にて決められました。
貨客混載とは、タクシーで荷物を運搬したり、貨物トラックに客を乗せるという、本来の目的とは全く異なる用途の呼称で、高齢化や人口減少などの問題が多い過疎地域を救う存在としてクローズアップされています。
貨客混載の解禁によって可能となるサービスは非常に幅広く、集配トラックと路線バスを合体した形や、タクシー車両を使った買い物代行なども可能になりそうです。
バス路線の撤退が問題視されていた過疎地域ですが、貨客混載ができることで高齢者の皆さんの「足」が増えることが期待されています。
おさらい!トラックに人を乗せてはいけないの?
貨物自動車として作られているトラックの荷台には、基本的に人を乗せてはいけません。
出発地の警察署に届け出をすれば「荷物の見張り役」として1~2人を乗せることも可能となりますが、トラックは乗客の安全を保証できる構造ではないため、事故やトラブルを回避する上でもできれば避けた方が良さそうです。
無許可で人を乗せた場合は道路交通法違反となりますので、所定の手続きを踏むことを忘れないでください。
貨物会社やタクシー会社の仕事が増える
従来の貨物会社は長距離トラックのイメージが強いため、若者や女性の担い手が少なく、人手不足という問題に直面していました。
しかし貨客混載のサービスができるようになると、過疎地域を走る集配トラックの需要も増えるため、今話題の女性トラック運転手「トラガール」が活躍できるシーンも増加するとされています。
細やかな心遣いのできる女性はバス業界でも「周遊バス」の乗務担当になることが多いため、過疎地域を活性化するトラックにも欠かせない存在と考えて良いでしょう。
高齢者の交通事故が減る
高齢者の自動車運転が当たり前となっていた過疎地域は、交通事故が多いことも社会問題のひとつとなっていました。
そんな状況の回避に繋がる貨客混載は、高齢ドライバーによる人身事故防止策としても注目されています。
「過疎地を走る車」によるサービスが多様化すれば、行政が取り組むべきさまざまな問題が解消され、地域コミュニティの活性化に繋がると言えそうです。