
行政処分ができない!?トラック不足の実情とは?
国土交通省では「運管者不在による事業停止処分」の先送りを決定することで、貨物の運送に支障をきたさない取り組みを検討するようになりました。
この状況は、「運管者不在のトラック事業所が多く存在する」という社会問題への発展も想定されるのですが、実際はそれでも先送りをしなければならないレベルで「トラック不足」が深刻化しているのです。
今回はトラック業界の事業停止処分が激減している実情と、その理由について詳しく解説していきます。
5カ月で2件!?事業停止処分が行われていない!?
平成24年に76件というピークを迎えた事業停止処分ですが、2014年5月には「わずか2件」まで激減しています。
ピーク直後は各機関による指導強化や事業者の意識向上による「成果」と考えられていましたが、現在は「先送りによる激減」でしかないのです。
行政はなぜ不正を見逃すの?
日本の運送業界は、トラックの台数・トラックドライバー共に著しい減少傾向となっており、東京オリンピックの頃には10万人もの人手不足が起こると想定されています。
現状でも稼働しているトラックが少ない問題は既に起こっているため、日本経済や物流を動かし続けるためにも「事業停止処分ができない」という実情があるのです。
安全な運行を考えれば、事業停止処分は必要不可欠なものとなりますが、現在の日本ではそのルールを変えなければいけないほど、トラック不足に追われている状況になっていると考えて良いでしょう。
どうしてトラックドライバーは減少しているの?
不規則な勤務スケジュールで知られる長距離トラックは、若手や女性の担い手が少なく、平均50代後半~60代のドライバーで運行されているケースがほとんどです。
そんな高齢ドライバーたちも定年退職をしていくひと達が増えていきますので、今後のトラック不足は更に悪化すると言われるようになりました。
近年では国土交通省が「トラガール推進プロジェクト」を打ち出し、トラック業界の活性化を促すようになりましたが、今後も続く人手不足によって暫くの間は事業停止処分の先送りが続くと予想されます。
安定した状態で物流を行うためにも、トラックドライバー不足の解消が必須とも言える時代が到来していると言えるでしょう。